【登場人物】
🎗新潟大学小児科学教室先生(新潟)
皮膚科医ちゃん先生(皮膚科医ちゃん)
しんまろ先生(しんまろ)
masa先生(masa)
Twitterのスペース機能をつかってはじまった、勉強会の第1回目。
日曜日の夜に集まりはじめました。
目次
Twitterのスペースで始まった、アレルギーの雑談会。
えっと、壇上に上がることのできる先生、元々予定になっている先生方は、申請を上げていただければ助かります。
まだ始まるのがあと一分ぐらいあるので、それまでちょっと簡単に今回の趣旨をお話させていただきたいと思います。
こんな感じでわちゃわちゃ始まったんですけど、大丈夫かな。
4人いればとりあえず始められますか。これで始めちゃってもいいですか。
これまでTwitterスペースを僕が1人でやってたのですが、皆さんも一緒に入っていただいてわちゃわちゃとお話させていただければ、面白いことができるかなあと思ったことと、アレルギーをされていない先生方とか、何か聞きたいことが普段ある場合にこういった場で一緒に考えていただければ僕も勉強になって嬉しいなというふうに思って、こんな企画をたててみました。
というのも、難しい質問は僕も「わからないなあ」って話で終わってしまうかもしれませんから…。
そして、30分で一旦終了にしちゃおうと思っています。
時間を決めておかないと、ダラダラと雑談だけになっちゃうかもしれませんしね。
そこで今回は、最近話題になっている『早期離乳食開始』に関して、みんなで話をしてみたいなって思っています。
ということでよろしくお願いします。
アレルギー予防において注目されている『離乳食早期開始』に関して
私は普通の地方病院で小児科医、一応アレルギー外来持たせてもらっているんですけど、アレルギー学会の専門医ではないという立場で診療しています。
自分としては、「授乳・離乳の支援ガイドとかに従って普通に進めていってね」っていうのをベースにしています。でも、ピーナッツとか、データとして早期摂取がアレルギーの発生予防になるよっていうのがわかっている食材に関して、他の先生方が積極的に早期摂取を進められてるかどうか聞いてみたいです。
卵に関しては、2017年に早めに始めることも考慮してくださいねっていう、推奨というか提言が出ていますね。
私もアレルギー専門医ではないのですが、小児科医としてアレルギーを一般外来で診させていただいている立場で、発言させていただきます。
幸い、あまりピーナッツの早期摂取を相談される場面がなく、食べましょうとか、もうちょっと待っていいですよとかそういう説明をしなきゃいけない場面がなかったっていう現状です。
むしろ私もほむほむ先生にちょっと聞きたいなって思っていました。
ピーナッツの離乳食早期開始とその歴史。
でも、何か皆さんあれですね、硬いですね。ざっくばらんでいきましょうね。
あ、また(スペースの)リクエストがまた来たので、承認させていただきます。
まず2000年に、米国小児科学会から、ピーナッツだけではなくアレルギーになりやすい食べ物と考えられている卵とかピーナッツといった離乳食の開始を遅らせましょうっていう推奨が出たんですね。
そして、2000年のころは離乳食を遅らせるという考え方が多かったんですけど、その後、食物アレルギーがかえって増えてしまったというデータがでてきたのです。
そしてさらには早めに開始したほうがむしろアレルギーが少なくなるかもしれないっていった疫学的なデータが出てきて、2008年にその考え方が撤回されたという流れがまずあります。
▷Abrams EM, et al. Early Solid Food Introduction: Role in Food Allergy Prevention and Implications for Breastfeeding. J Pediatr 2017; 184:13-8.
ですので、世界的に特にピーナッツのアレルギーの多い国に関しては、ピーナッツを早めに始めようという、支持的な考え方が増えてきたんですね。
そして最近、オーストラリアからの報告では88%ぐらいのお子さんが1歳までにピーナッツを開始しているっていう報告もでてきました。
▷Soriano VX, et al. Earlier ingestion of peanut after changes to infant feeding guidelines: The EarlyNuts study. J Allergy Clin Immunol 2019; 144:1327-35.e5.
日本では、ピーナッツの離乳食早期開始への積極的な推奨までは至っていない
というのは、今のところ日本でのピーナッツアレルギーはそこまで多くはないので、早期開始に関してはっきりと提言や推奨がされていないのです。
たまにしか食べないっていう形で食べ始めると、その家庭のホコリの中にピーナッツのタンパク質が多く含まれることになって、もしかするとピーナッツアレルギーを増やしてしまう懸念があるんですね。
▷Brough HA, et al. Atopic dermatitis increases the effect of exposure to peanut antigen in dust on peanut sensitization and likely peanut allergy. J Allergy Clin Immunol 2015; 135:164-70.
▷Leung J, Ainsworth J, Peters R, Mehr S, Smart J, Rose E. Increased Rates of Peanut and Tree Nut Aspiration as a Possible Consequence of Allergy Prevention by Early Introduction. J Allergy Clin Immunol Pract 2021; 9:3140-6.e2.
うーんと、いきなりちょっと一気に喋りすぎたな、しんまろ先生がそこまでよろしいですか。
実際に、ピーナッツの離乳食への開始をどのように患者さんにお話するか?
でも、知識のある保護者の方だとこういった研究があるんじゃないかなと話が出てくることがあって、そこに関しておすすめするとしたら、「ピーナツバターをちょっと隠し味的に入れるとかっていうのはアリかもしれないですよね」というぐらいとしてたんですけど、ほむほむ先生、どんな感じで話されているんですか?
ただこれって、簡単にまとめられない話がいろいろあるんですね。
患者さんは、ピーナッツよりも例えば卵や牛乳とかのアレルギーを心配しておいでになっている方が多いので、牛乳やもしくは卵とかに関しての介入というか予防的な対策が落ち着いてから「ではピーナッツの方に関してはこんな話がありますよ、どうですか」みたいな話をして、離乳食として導入ができるような状況があれば考えていただくような感じです。
そして始めたからには継続して食べていった方が良いと言えます。ですので、その食べ方とかまで踏み込んだ方がいいかなって思っています。
masa先生はどんな感じでしょうか。
書き起こしを🎗新潟大学小児科学教室先生(新潟)にしていただきました。
ありがとうございます!
注意点:この会話では『離乳食早期開始』の視点も含めたテーマになっていますが、『離乳食早期開始』は医師に相談をしたうえで個々で考えなければなりません。ご心配な方は、お近くのアレルギー専門医にご相談ください。
(ほむほむ先生のプチセッション、ときどき更新します! ご期待ください。)
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