【登場人物】
小児科レジデント1年目、F先生
アレルギー医・ほむほむ
ある日医局で…
F先生が、なにか質問があるようです。
■ スキンケア、本当にできているかどうかを見抜ける?
外来でアトピーのお子さんが、しっかりシャワーで洗っているかどうか、ステロイド外用薬をしっかり使っているかどうかを見抜くコツはどこにありますか?
先生はそこをすごく見抜いているように思いました。
■ 個人差・悪化している場所から…
ドイツの研究で、夏に悪化するひとと、冬に悪化するひとは半数ずつだったという研究がある。つまり、患者さんがどんなタイプなのかを把握しておく必要があるよね。
皮膚をよく確認していくと、肘窩とか膝窩とか頸部とか、そういうところばかり悪化する患者さんは、『洗浄が必要なひと』といえるよね。
■ 擦れやすい場所の悪化から考える?
アトピー性皮膚炎に対して洗浄が有効かをみたメタアナリシスでは3割程度が有用だったという報告もあるよ。
そういった部分は、衣服のこすれや動きで外用薬がはがれやすい部位だよね。だから保湿剤が不足している可能性が高くなる。そして例えば、腹部にばさっとたくさんの保湿剤をおいて無理やり伸ばしている場合もあったりして、その場合は側腹部が不安定になるんだね。
行動が結果に影響するってことですね。
■ 皮膚がどのように悪化しているかを推理する?
たとえば、麻しんは内部からといえるよね。
アトピー性皮膚炎も、年齢が高くなると金属アレルギーなどで悪化する『内因性』も多くなるけど、食事で悪化することはそれほどには多くはないようだという報告はある。そう考えていくと、どちらかというと外部刺激のほうが悪化の理由としては多いんじゃないかと思うよ。
シャツの裏をみて、表と裏の色が全く一緒になっていたとすれば、それは『もともと染色している布を組み合わせて織っているシャツ』だよね。
表の色はくっきりしていても、裏地をみると白に近ければ、それは『表からの後付け染色』だよね。皮疹があるときに、その皮疹がどのようにできたのかを推測するのは重要なんだね。
■ 『頑張っているけどよくならない…』、どんな答えをするといいのだろう…
でも、『ちゃんとしているけど良くならない』って言われることもありますよね。
実際に毎回触診していると、いつ頃塗っているのかはだいたい分かるんだけど、本当に重症でうまくいかない場合もあるかもしれないし、実際に塗れていないのかもしれない。その区別は難しいよね。
まずその場合は、『スキンケアが不十分だと責めているわけではなく目標を共有できているかどうかを確認している』と伝えるのがいいんじゃないかと思うよ。
『私が心配しているのは、スキンケアの丁寧さが不十分でステロイド外用薬の強度がどんどんあがっていくことが心配なのです』
ってお話することが多いかなあ…。
まずは受け入れることも大事なんですね。そして目標を共有することですね。
■ 『保湿剤がどれくらいなくなったか』を聞いてみる?
スマホでいきなり検索をはじめてどの保湿剤だったっけ…みたいな感じでしたよね。
■ 『患者さんごとに』どんな背景があるかを想像する
そして、医師に対して『正直に答えたくなかった』ということが背景にあるのならば、どのようにお話すればいいんか、患者さんごとのキャラクターをみながら想像していかないといけないよね。難しいけどね…
でも、なんとなくわかりました。次に生かしてみます!
…こんな感じでまた、スモールセッションは終了ー。
(ほむほむ先生のプチセッション、ときどき更新します! ご期待ください。)
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