ほむほむのプチセッション(10)患者さんたちのおうちでの行動、やさしく見抜けるか?

【登場人物】

小児科レジデント1年目、F先生

F先生

アレルギー医・ほむほむ

ほむほむ

ある日医局で…
F先生が、なにか質問があるようです。

 

■  スキンケア、本当にできているかどうかを見抜ける?

先生、また質問してもいいですか?
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
ん?いいよー。
この間、先生の外来の見学をしていて思ったんですけど……。

外来でアトピーのお子さんが、しっかりシャワーで洗っているかどうか、ステロイド外用薬をしっかり使っているかどうかを見抜くコツはどこにありますか?

先生はそこをすごく見抜いているように思いました。

F先生
F先生

 

■ 個人差・悪化している場所から…

ほむほむ
ほむほむ
なかなか難しい質問だなあ…。悪化には個人差もあるしね。
はい、わかります。そこをなんとか…(笑)
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
そうだなあ…
ドイツの研究で、夏に悪化するひとと、冬に悪化するひとは半数ずつだったという研究がある。つまり、患者さんがどんなタイプなのかを把握しておく必要があるよね。
皮膚をよく確認していくと、肘窩とか膝窩とか頸部とか、そういうところばかり悪化する患者さんは、『洗浄が必要なひと』といえるよね。

小児アトピー性皮膚炎の悪化する季節は、それぞれ異なる

 

 

■ 擦れやすい場所の悪化から考える?

洗わないようにという先生もいますよね。
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
うん、それ自体を非難するわけじゃないけど、夏にはシャワーを増やしたほうが安定しやすかったという報告もあるし、アトピー性皮膚炎はheterogeneousな(不均一な)病気だからね。みんな画一的にお話するのも難しいよね。

アトピー性皮膚炎に対して洗浄が有効かをみたメタアナリシスでは3割程度が有用だったという報告もあるよ。

夏季中の入浴回数を増やすと、アトピー性皮膚炎症状が改善するかもしれない

入浴が有効なアトピー性皮膚炎の割合はどれくらいか?

 

ほむほむ
ほむほむ
そして例えば、全体的にはきれいでも、上背部だけ悪化していたり、腕とか足とか伸側部が悪化しやすいとかもあるよね。

そういった部分は、衣服のこすれや動きで外用薬がはがれやすい部位だよね。だから保湿剤が不足している可能性が高くなる。そして例えば、腹部にばさっとたくさんの保湿剤をおいて無理やり伸ばしている場合もあったりして、その場合は側腹部が不安定になるんだね。

ははあ…なるほど。
行動が結果に影響するってことですね。
F先生
F先生

 

■ 皮膚がどのように悪化しているかを推理する?

ほむほむ
ほむほむ
ちょっともどるんだけど、皮膚って、内部から悪化する場合と外部から悪化する場合があるよね。
たとえば、麻しんは内部からといえるよね。
アトピー性皮膚炎も、年齢が高くなると金属アレルギーなどで悪化する『内因性』も多くなるけど、食事で悪化することはそれほどには多くはないようだという報告はある。そう考えていくと、どちらかというと外部刺激のほうが悪化の理由としては多いんじゃないかと思うよ。
ほむほむ
ほむほむ
その上で、皮膚の湿疹って、どんな刺激があるだろうって推測できることも多いんだ。
ほむほむ
ほむほむ
ボーダー柄のシャツがあったとしようか。
シャツの裏をみて、表と裏の色が全く一緒になっていたとすれば、それは『もともと染色している布を組み合わせて織っているシャツ』だよね。
表の色はくっきりしていても、裏地をみると白に近ければ、それは『表からの後付け染色』だよね。皮疹があるときに、その皮疹がどのようにできたのかを推測するのは重要なんだね。

 

■ 『頑張っているけどよくならない…』、どんな答えをするといいのだろう…

なるほど…
でも、『ちゃんとしているけど良くならない』って言われることもありますよね。
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
そうだね。
実際に毎回触診していると、いつ頃塗っているのかはだいたい分かるんだけど、本当に重症でうまくいかない場合もあるかもしれないし、実際に塗れていないのかもしれない。その区別は難しいよね。
難しいよなあ。
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
もし患者さんがうまくスキンケアができてないなと思っても、『正直にいっても怒られない』ということは大事だと思うんだ。

まずその場合は、『スキンケアが不十分だと責めているわけではなく目標を共有できているかどうかを確認している』と伝えるのがいいんじゃないかと思うよ。

ふむふむ……。
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
だから僕は、『頑張っておられることはよくわかりました。では、今回はステロイド外用薬の強度をあげることができます。私が見落としているところがあるかもしれないですが、丁寧にスキンケアをされているならば助かります。またステロイドを減らすことを目標にできますので大丈夫ですよ』

『私が心配しているのは、スキンケアの丁寧さが不十分でステロイド外用薬の強度がどんどんあがっていくことが心配なのです』

ってお話することが多いかなあ…。

なるほど…
まずは受け入れることも大事なんですね。そして目標を共有することですね。
F先生
F先生

 

■ 『保湿剤がどれくらいなくなったか』を聞いてみる?

ほむほむ
ほむほむ
その上で、この間、外来を先生が見学していたときのことを思い出してみようか。
ある方は、『ちゃんと塗っています』と言われていても、どれくらい保湿剤がなくなっているかは把握していなかったし、どのブランドの保湿剤を使っているかもお答えにならなかったよね。
ほむほむ
ほむほむ
そうでしたね。
スマホでいきなり検索をはじめてどの保湿剤だったっけ…みたいな感じでしたよね。
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
もちろんたまたま答えられなかったのかもしれないけど、あの時のお子さんの体格ならば2週間に1本の保湿剤が本来なくなってくるはずなんだよね。つまり、2週間毎におなじブランドの保湿剤を繰り返し購入していれば、覚えているものだよね
ほむほむ
ほむほむ
たとえばあるお母さんに、『どの化粧品ブランドを使っていますか』と聞くと、たいていスムーズに答えられるよね。それは繰り返し使っているからこそだよね。そして実際に、別の患者さんにお聞きしたときにはスムーズにお答えになったでしょう?
確かにそうでしたね。とても対照的でした。
F先生
F先生
ほむほむ
ほむほむ
でも、そこを責める、ではないんだよ。

 

■ 『患者さんごとに』どんな背景があるかを想像する

ほむほむ
ほむほむ
でも、推測するための材料にはなる。

そして、医師に対して『正直に答えたくなかった』ということが背景にあるのならば、どのようにお話すればいいんか、患者さんごとのキャラクターをみながら想像していかないといけないよね。難しいけどね…

うーん、やっぱりなかなか難しいですね…
でも、なんとなくわかりました。次に生かしてみます!
F先生
F先生

 

…こんな感じでまた、スモールセッションは終了ー。

 

(ほむほむ先生のプチセッション、ときどき更新します! ご期待ください。)

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