【登場人物】
🎗新潟大学小児科学教室先生(新潟)
皮膚科医ちゃん先生(皮膚科医ちゃん)
しんまろ先生(しんまろ)
masa先生(masa)
Twitterのスペース機能をつかってはじまった、勉強会の第1回目。
ピーナッツアレルギーの発症予防の話から、皮膚炎への治療をどのようにすすめるかへの話へ発展してきました。
そんな前回の続きです。
乳児期の皮膚炎、どう介入していくか…?
例えば、皮膚炎っていうときに、どれぐらいの程度だったら、こう介入を始めた方がいいとか、これぐらいだったら、もうちょっと様子見ていいかなとか、程度とか、月齢とか、そういうので皆さんなんかどうされているか聞きたいなと思ったんですけども。
せっかく皮膚のことですし皮膚科医ちゃんさんから御意見いただけませんか。
スキンケアをするっていうのはもう全員、乳児とか新生児の方はやっていただきたいのです。
なかなか難しいんですけど、目に見えて乾燥がある場合は、スキンケアの指導をもっと入念にしたほうがいいと思っています。
保湿剤は1日2回お願いしたいです。
そしてお母さんに負担になると思うのですが、ちょっと3回にしたりとか。
あとはやっぱり赤みがあったりとか、明らかに湿疹症状があったら、やっぱりステロイドは使わないといけませんよね。
しっかり使って短期間で治すっていう指導をさせていただいています。
当院は、常勤の小児科3名で、1ヶ月健診は別の先生がしていて2ヶ月からのワクチン外来は僕が担当しています。そしてワクチン外来で湿疹があるお子さんに関しては、かなり積極的な介入を心がけています。
スキンケアの資料は環境再生保全機構のアトピーハンドブックをもとにお話をします。
そしてプロアクティブ療法を説明して、場合によっては導入していって生後6ヶ月までになるべくツルツル肌を目指そうというスタンスでしています。
▷Tang TS, et al. Are the concepts of induction of remission and treatment of subclinical inflammation in atopic dermatitis clinically useful? J Allergy Clin Immunol 2014; 133:1615-25 e1.
確かに、皮膚で受診しないで他のことで受診した人で、気になる人が一定数いらっしゃいますよね。
masa先生いかがでしょうか?
いまは開業医なので、妊娠中のお母さんに向けての勉強会に行ったりすることを計画しています。できれば赤ちゃんの湿疹を早めに治してあげたいって思っているからです。
僕はやっぱりしんまろ先生のようになるべく早く明らかに湿疹があった場合は、スキンケアとステロイドの介入をしてあげた方がいいんじゃないかなと思ってやっています。
あと、今の自分の外来ってどちらかというと敷居が低い外来なので、近医の先生方もどんどんご紹介くださるんですよね。
ですので、もうそれこそ生後3、4ヶ月ぐらいの湿疹のお子さん方もおいでになりますので、生後6ヶ月に離乳食に間に合うようにお肌のケアを介入するって感じです。
その年代のお子さん方って本当にきっちりとスキンケアをお願いすると、早く良くなる方が多いんですよね。
もちろん炎症を抑えるためにステロイド外用薬も使います。
そういった意味で生後3、4ヶ月ぐらいでかなり重篤な感じでおいでになったとしても生後6ヶ月ぐらいにはスタート時点は立てていることがおおくて、離乳食の開始ができることが多いんじゃないかなと思います。
何か皆さんやっぱりご意見が来て良かったです。
やはり、早めに介入できた方が、状態もいいということもあって、皆さん早く介入されているんだなって再確認できました。ありがとうございます。
遅くなればなるほど、それだけより発症予防ではなく、治療として介入するようなときも出てくるということですね。
だからそれが生後6ヶ月だろうと、1歳だろうと3歳だろうと場合によっては10歳だろうとおいでになったときがやっぱり一番早いときっていうことです。
よく言われることかもだけど、今現在が一番若いときだと考えていただいて、そこから始めていただくということです。思い立ったら始めていただくっていうのがいいかなと思っています。
ですので、否定的な話よりも前向きな話をするのがいいかなって個人的には思っています。
アトピー性皮膚炎の診断は…?
湿疹のことって、すごく親御さん気にされていますよね。
お薬出しておきますねとか、その都度対応だったりとか、本当にこれでいいんだろうかっていう方の声をよく聞きますよね。
湿疹を見たときに、かゆみの有無を細かく確認することと、これまでの掻き壊しをしっかり確認をして、その場合に、アトピーかどうかっていう診断ってところを小児科医が担わなきゃいけないんじゃないかなっていうのは個人的には思っています。
以前、アトピー性皮膚炎とあと乳児湿疹との診断にわけて評価した研究をして、アトピー性皮膚炎も乳児湿疹も、感作のリスクは同程度にあったんですよね。
もちろんこの例えば悪性リンパ腫といった皮膚のがんとかそういったものはきちんと鑑別しないといけないけど、乳児湿疹ってという名前で長引かせない方がいいのかなって思っています。
ですので、皮膚炎の期間がまだ2週間とか1ヶ月なので、アトピー性皮膚炎っていう診断つかないかもしれないけど、その湿疹はしっかり良くしておいた方がきっといいと思うので、一緒に治療をしましょうという働きかけとか重要ですね。
そういう場合も『今までは期間が短いので、乳児湿疹という診断かもしれないけど、2ヶ月以上という期間も経っているし、前の先生の診断が間違ってるわけじゃないけど今の状況はアトピー性皮膚炎だね』って話をしながら、進めていくことがありますね。
皮膚科医ちゃんどうですか。
妊婦さん、親御さんの治療も大事。
私、ちょっと思っていたことがあるんです。
私が皮膚科で、アトピーの予防的なことで力を入れてるのは、妊婦さんでアトピーの方を診療している場合が多いので、その方のお子さんはややリスクが高いと思うのです。
ですので、妊婦さんから指導するようにするのがやっぱりいいなと思っています。
お父さんお母さんがアトピー性皮膚炎を患っておられると、お子さんのアトピーで複数の病院を受診する傾向があるという報告があります。
▷Kojima R, et al. Factors associated with steroid phobia in caregivers of children with atopic dermatitis. Pediatr Dermatol 2013; 30:29-35.
皮膚科の先生方と小児科医で、お父さんお母さんもお子さんもって診ていければやっぱりいいのかなと思っていて、一緒に方向性をみつけていければいいのかなと思いました。
でも、皆さんのおかげで早期の離乳食開始に関して、ちょっといい話もみんなで考えることができたんじゃないかなと思っています。
もしご好評であればまた2回目3回目と何かテーマを決めてやってみたいなというふうに思っています。
皮膚科医ちゃんも新潟先生もしんまろ先生もmasa先生もありがとうございました。
またぜひよろしくお願いいたします…ということで、1回終了させてもらってもよろしいでしょうか?
皆さんご参加ありがとうございました!
書き起こしを🎗新潟大学小児科学教室先生(新潟)にしていただきました。
ありがとうございます!
注意点:この会話では『離乳食早期開始』の視点も含めたテーマになっていますが、『離乳食早期開始』は医師に相談をしたうえで個々で考えなければなりません。ご心配な方は、お近くのアレルギー専門医にご相談ください。
(ほむほむ先生のプチセッション、ときどき更新します! ご期待ください。)
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